COLUMN

Midori Kawano chapter1

Midori Kawano chapter1

「視覚ディレクター」という肩書きなんですね。

グラフィックデザイナー、アートディレクター、映像ディレクターに加えて、
最近は「RGB_Light」という照明も作ったりもしてるので視覚ディレクターと言っています。

何か変わったことはありますか。

基本的には変わりません。
初個展で自分を軸に作りたいものを考えたときに、
映像とグラフィックとプロダクトの間みたいな、ある種、
今までやってきたことを統合したものを作りたいというのがあって、それを総称した感じです。

今表現したいことは?

昔から作品のテーマやモチーフは宇宙っぽいものが多いのですが、
今はそれに加えて、より未来を目指しているビジョンの、途中にあるものを作りたいと思っています。

例えば過去のリバイバルであったとしても、現代のテクスチャーでやってるとか。
進化してるテクノロジーを使いつつ、新しく新鮮に見えるものにしたい。

新鮮さとは?

頭で考えるより、はっとするかで判断する感じです。
「なつかしさ」も「新鮮さ」のなかに必要だと思っています。
できれば新しい概念を含みつつ、「なつかしい感じがするんだけど、見たことない」みたいな。

最近おもしろいと思ったことは?

スペインでパーティーに行ったら、宇宙人がいっぱいいたの。
ぶっ飛んだ宇宙人的なファッションの人たちを見て、
パーティーのファッションって非日常感を表現できる
面白いことだったな~って思い出したし、すごく未来を感じてわくわくしました。

海外に行くとインスピレーションを感じますか?

海外に行けば非日常だから、「わー」ってなるし、
なんでもない風景が気になることが多いけど、
フラットに見ると実は日本国内でも同じことで。
なので、どこにいても外から見た時に感じる違和感とか驚きの目線に切り替えることもできて、
それがヒントになっています。
外国人の友達と遊ぶことでも気づかされたりします。

海外でも日本でも、非日常は大切?

移動すると、感覚が変わる。
ここ(街)にいるときと、森のなかにいるときとは、使っている脳が違うので。
ここでずっと何日も作業してて「行き詰まった。何も思いつかない」ってなっても、
別の場所に移動することで切り替えてくれる機能が人間にはあると信じてます。
なので、刺激が必要な時は、物理的に今と違う環境に身を置くことが大切かなと思っています。

オンとオフの切り替えは?

オンとオフの切り替えは意識的にはあんまりしていなくて、
その場に順応して自然と切り替わっていると感じています。

仕事との距離感ってどんな感じですか?

なるべくその時の自分の興味や、得意な方向で仕事ができるといいですよね。
自分らしくやって、周りも幸せになるというのが理想です。
仕事に対して距離を感じる場合は、自分の判断の方向性や方法が弱いのか、
間違っているのかなと見直すきっかけになります。

見直した結果、どうですか?

作品を通して方向性を示唆できればと思っています。
個展でアーユルヴェーダを題材にしたのですが、アーユルヴェーダは個々の特性を活かす生き方があって
「生まれ持った性質を知った上でそれにあった物事を選ぶ」
という教えなんです。
自分の特性と向き合った上で、仕事やプライベートと向き合っていくようにしたいです。
アーユルヴェーダを知ると、苦手なことの苦手な理由とかが割とわかったりして、
そこを無理に頑張らなくなったかもしれないです。

作品以外では自分の方向性はどのように出していますか?

ウェブサイトとかSNSで出す作品など誰にでも確認できる情報などもそうですし、
あとは、目に見えないところだと自分が出してる脳波とかも通して相手に感じさせるのかもしれないです。
なにかを考えた瞬間に、それにシンクロするものが外から来たりするじゃない?
それは自分でコントロールできない。
自分が自分にウソをついていない状態でいることが大切なのかと思っています。

精神面の影響は大きい?

外からの影響より内側からの影響が大きいタイプだと思います。
精神世界でいうと、潜在意識に興味がある。
自分が意識していないところにたまってるものへの信頼を、結構持っています。

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<プロフィール>

河野 未彩 Midori Kawano
視覚ディレクター。神奈川県横浜市生まれ。06年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから活動を始めた。
グラフィックデザイン/映像/プロダクトを媒体とし、CDジャケ・MV・空間演出、ラフォーレ原宿の広告・ラフォーレミュージアム「PHENOMENON:RGB」展・Vogue FNO「LANVIN」の展示など活動は多岐にわたる。
作品集「GAS BOOK34 MIDORI KAWANO」を GAS as Interfaceより刊行。
パーソナルプロジェクトとして、影が彩る照明「PGB_Light」を制作。2020年3月に発売。
https://www.md-k.net/

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