COLUMN

Nayo Higashide chapter1

Nayo Higashide chapter1

どんなスタイルでお仕事をしているんですか?

自分で立ち上げたオフィス・ド・アッシュとしての活動と、勤めている仕事が半々です。

オフィス・ド・アッシュとしての仕事では現代アートに携わっているんですか?

そう、「今生きてる人」が対象です。

最近ではアーティストの川久保ジョイさんのお仕事をされていますよね。

川久保さんにはコレクターとして作品を買ったことがきっかけでお会いして、
(作品作りの)クラウドファンディングのサポートなどをしています。
自分が運営しているクラウドファンディングのプラットフォーム上でのサポートです。

プラットフォームを?

はい、オフィス・ド・アッシュを立ち上げたのは、
クラウドファンディングをやりたかったからなんですよ。
「アートの裾野を広げたい」と思って。
実際には、クラウドファンディングといっても、今までその人の作品を購入した人や、
コレクターの方に地道にお知らせをすることが大切です。
あとは興味を持った人が少し乗ってくれるという感じです。

Nayo Higashide chapter1

アートを買う客層はやっぱり狭いんですね。

そう、「幅広い値段設定をすることで、
アート購入のハードルを下げることが出来るか」と思って始めたんです。
クラウドファンディングって1,000円くらいから始められるじゃないですか。
でも、値段を下げればいいって話でもありませんでした。

「マーケットが変わったらいいな」というのは、いつ頃から考えてるんですか?

オフィス・ド・アッシュを立ち上げたのは、2011年の夏。
震災の直前に「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」っていう本を読んだんです。
その本でクラウドファンディングのような仕組みを知って、
「何か出来るんじゃないか」と思ってました。
震災をきっかけにというと簡単ですが、震災のあとに実際に一歩を踏み出しました。
資金力もなくて地道にやっていたのですが、早かったので注目はしてもらえましたね。
今は「キャンプファイヤー」や「モーションギャラリー」
のおかげでクラウドファンディングの認知は広まったけど、当時は「何それ?」という状態。
さらにアートというカテゴリーだったので、早すぎたんでしょうね。
クラウドファンディングは「新しい作品購入の場」として
認識してもらえたらいいな、と思っています。

Nayo Higashide chapter1

勤めている会社での仕事についても教えてください。

専門は現代アートなんですけど、大学では美術史を勉強していました。
それとフランスで暮らしていた経験があるので、
フランス近代美術にまつわる会社の仕事をしています。
モネとかマネの時代ですね。

現代アートと近代美術って結構違いますよね。

そうなんですよ!
現代アートも近代美術も同じアートの括りではあるんですけど、
全然違うんですよね。
でも全て勉強です。
自分のためになっているので、よかったなと思います。

知識として繋がりますか?

繋がりますね。
(現代アートの作品に)過去の美術史を引用する人も多いし、
知ってること自体は全然無駄にならないです。
作品を見て、「これはあの作品の引用だな」とわかったほうが理解は深まりますね。

膨大なので、都度勉強しています。
日本美術のことも勉強しますよ。
浮世絵が印象派に関わってきたりしますしね。

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<プロフィール>

東出 菜代 Nayo Higashide
慶應技術大学文学部卒業後、渡仏。パリ第四ソルボンヌ大学修士号、エコール・ド・ルーブル博物館学課程を修了。
国立近代美術館ポンピドゥー・センター現代美術部門のインターンを経て、インディペンデント・キュレーターとしてパリで活動。
帰国後、Office de H(オフィス・ド・アッシュ)を設立。アートに特化したクラウドファンディングサイト「マイクロメセナ」の運営をはじめ、キュレーション、アーティストマネジメント、執筆に至るまで、活動分野は多岐に渡る。
多領域を横断するアートプロデュースを得意分野とする。

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