自分で立ち上げたオフィス・ド・アッシュとしての活動と、勤めている仕事が半々です。
そう、「今生きてる人」が対象です。
川久保さんにはコレクターとして作品を買ったことがきっかけでお会いして、
(作品作りの)クラウドファンディングのサポートなどをしています。
自分が運営しているクラウドファンディングのプラットフォーム上でのサポートです。
はい、オフィス・ド・アッシュを立ち上げたのは、
クラウドファンディングをやりたかったからなんですよ。
「アートの裾野を広げたい」と思って。
実際には、クラウドファンディングといっても、今までその人の作品を購入した人や、
コレクターの方に地道にお知らせをすることが大切です。
あとは興味を持った人が少し乗ってくれるという感じです。
そう、「幅広い値段設定をすることで、
アート購入のハードルを下げることが出来るか」と思って始めたんです。
クラウドファンディングって1,000円くらいから始められるじゃないですか。
でも、値段を下げればいいって話でもありませんでした。
オフィス・ド・アッシュを立ち上げたのは、2011年の夏。
震災の直前に「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」っていう本を読んだんです。
その本でクラウドファンディングのような仕組みを知って、
「何か出来るんじゃないか」と思ってました。
震災をきっかけにというと簡単ですが、震災のあとに実際に一歩を踏み出しました。
資金力もなくて地道にやっていたのですが、早かったので注目はしてもらえましたね。
今は「キャンプファイヤー」や「モーションギャラリー」
のおかげでクラウドファンディングの認知は広まったけど、当時は「何それ?」という状態。
さらにアートというカテゴリーだったので、早すぎたんでしょうね。
クラウドファンディングは「新しい作品購入の場」として
認識してもらえたらいいな、と思っています。
専門は現代アートなんですけど、大学では美術史を勉強していました。
それとフランスで暮らしていた経験があるので、
フランス近代美術にまつわる会社の仕事をしています。
モネとかマネの時代ですね。
そうなんですよ!
現代アートも近代美術も同じアートの括りではあるんですけど、
全然違うんですよね。
でも全て勉強です。
自分のためになっているので、よかったなと思います。
繋がりますね。
(現代アートの作品に)過去の美術史を引用する人も多いし、
知ってること自体は全然無駄にならないです。
作品を見て、「これはあの作品の引用だな」とわかったほうが理解は深まりますね。
膨大なので、都度勉強しています。
日本美術のことも勉強しますよ。
浮世絵が印象派に関わってきたりしますしね。
<プロフィール>
東出 菜代 Nayo Higashide
慶應技術大学文学部卒業後、渡仏。パリ第四ソルボンヌ大学修士号、エコール・ド・ルーブル博物館学課程を修了。
国立近代美術館ポンピドゥー・センター現代美術部門のインターンを経て、インディペンデント・キュレーターとしてパリで活動。
帰国後、Office de H(オフィス・ド・アッシュ)を設立。アートに特化したクラウドファンディングサイト「マイクロメセナ」の運営をはじめ、キュレーション、アーティストマネジメント、執筆に至るまで、活動分野は多岐に渡る。
多領域を横断するアートプロデュースを得意分野とする。