湊誠也さん(父。以下、誠也):うちはニュー下町だと思ってるんです。
近所のおばあちゃんが話しがてら修理に来たり、店の壁に絵を描くアーティストがいたり、
雑多な場所でありたいと思っています。
湊麻未さん(母。以下、麻未):買ってからも店に来てくれる人が増えて、長く付き合えてます。
店をオープンした当初は自転車のレースに出る人とかパーツを探しにくる人が多くて、
女性のお客さんは少なかったんですよ。
誠也:自転車にハマってるお父さんが来ると、
彼の自転車のパーツばっかりよくなっていくんですよね。
対してお母さんや子どもがギコギコと鳴ってるような自転車に乗ってると、
「お父さん、そのパーツを売って家族分のいい自転車を買ったらどうですか?」
なんていらないことを言うもんだから、来なくなったりしてね(笑)。
麻未:私たちはtokyobikeがずっと好きなんだけど、
子どもにtokyobikeを買いにくる人もいて、それって自転車に対して意識が高いよね。
誠也:「子どもなんだから良い自転車じゃなくていい」っていう考えもあるけど、
「子どもだからこそ良い自転車に乗せてあげたい」
っていう考えもあって、僕たちは後者かな。
好きな色の好きな自転車に乗ってるほうが、マインドにもいいんだよね。
麻未:愛果が初めて自転車に乗った時のことはすごくよく覚えてる。
ママチャリの前につけたOGKのピンクのチャイルドシートに乗って、
向かい風を感じて喜んでたな~。
誠也:今は「サンドイッチライド」っていうのを開催してて、
店から江戸川の土手まで、サンドイッチのパンと具を持っていくんです。
そこで1日ピクニックする。
集まった子どもたちとも一緒に
キックベースをしたり、フリスビーをしたり。
うちの子どもが小さい時にも同じように集まって、自転車乗りたちに可愛がってもらったんですよ。
それが子どもたちにとって、よかったなって。
うちの子どもたちが大きくなって、
新しく来た小さい子たちの面倒を見るようになったのを見て、
小さい頃からいいコミュニティにいられてよかったなって思ってます。
誠也:2年前には地域のマップを作ったんです。
自転車で市川中をまわって、個人のお店に声をかけました。
きっかけは、浦安マップっていうのを作っている人がいて、
それを見てすごくよかったので「頼む!市川市のも作ってくれ!」って。
浦安は嫌いだっただんだけど……
湊愛果さん(長女。以下、愛果):ただのジェラシーでしょ!
誠也:そうそう、ディズニーランドとかあっていいなーって(笑)。
店を17年やってるからもともと地域の店の人たちと仲は良いけど、
マップを作ってさらに横のつながりができました。
麻未:サンドイッチライドには、
「店で自転車を買ってないけど参加していい?」って言う人がいるけど、
全然OKなんです。
車で来る人だっているし!
誠也:そうそう。
自転車がある生活はいいと思ってるけど、自転車が一番ってわけじゃない。
前は「優しく、楽しく、自由な自転車ライフ」と言ってたのを、
最近では「優しく、楽しく、自由なライフ」と言ってます。
ママチャリ参加だってOKです。
麻未:全然なんでもいいの。
でも「ギーギーと鳴ってる自転車に苦しそうに乗ってるな」とか、
「すごくカッコつけてる年頃の男子高生が、変な自転車に乗ってるな」
っていうのは、どうしても気になっちゃうのよ!
誠也:見えますね。
愛果:すごく値段の高い自転車に乗ってる人もいるよね。
誠也:自己満足の世界だからね。
でもそのこだわりによって、「この人好きだな」とか思う。
自分らしさをカスタムしてる人っていいよね。
<プロフィール>
Depot Community Service
家族全ての自己アピールが強く、切磋琢磨の日々
名前 年齢 職業 ニックネーム 好きなモノやコト
湊 喜愛(キア)2歳 犬 キープー あそぼライオン/砂肝
湊 悠仁(ユニ)11歳 小学生 ウニ 外遊び/ラグビー
湊 優芽(ユメ)17歳 高校生 泥団子、サータアンダギー、タピオカ 自転車に乗るコト/キアと遊ぶコト
湊 愛果(アイカ)19歳 看護学生 市川の橋本環奈(自称) 歌うコト
湊 麻未(マミ)47歳 アーティスト(遊びとアートのPIPPI主催) マミー NEW KOKESHIを作るコト
湊 誠也(セイヤ)49歳 DEPOT 店主 パッピー 冷蔵庫にあるもので料理するコト