COLUMN

Savka Uto chapter1

Savka Uto chapter1

食を軸にした仕事を始めたきっかけは何ですか?

もともと「商品をどう売るか」を考えるのが仕事で、
食関連の案件もそれなりに多かったのですが、一番のきっかけといえば、
アメリカで制作された日本のフードツーリズムに関する番組のお手伝いしたことです。
「日本の食生活、食文化を通して、日本という国を知る」
というコンセプトのものでした。

番組で行われる、料理の材料となる作物を作る生産者さん、
生産者さんの愛のこもった作物を調理するシェフ、
シェフのこだわりの詰まった一皿をサーブする方、
それぞれとの対話を通して、食というものの深みとそれを知る喜びを再認識してしまって、
これから先の人生はそれを人に伝える仕事をライフワークにしたいと思うようになりました。

自分の中で一つテーマを決めることによって、考え方もシンプルになって、
いい意味で腹が据わったというか、地に足が着いた気がします。

食が生活の根底にあるなと。

そうですね。
私は大学卒業後、広告代理店で働いてから
独立して自分の映像制作会社を作ったんですが、
独立当時は生活が超絶に不規則でした。
食事の時間ももちろん不規則。
食にこだわりの強い家で、どんなに忙しくても、
おやつまで手を抜かずに作って仕事に出かける母に育てられたせいか、
一回一回の食事を大事にできない生活はものすごいストレスでした。
心のゆとりがないと食も楽しめないですしね。

映像と食はどう繋げているんですか?

海外の食品や食品関連機器を日本で、また日本の食品や器を
海外で売るためのプランニングをするのも私の仕事の一つです。
取扱商品について手っ取り早く理解してもらう為には、映像は最適なツールなんです。

特に日本の商品を海外に紹介する時にはかなり役立ちます。
日本の食文化は多様で歴史も長く、口で説明すると長くて難しくなってしまいますが、
映像付きで説明するとみんな一様に興味を持ってくれる気がします。

文化背景を知って食を体験すると味わい深いですもんね。

「なんだこれ?」と思って食べるのと、
「なるほど」と理解して食べるのと、味が違いますからね。
「なるほど」の食体験を重ねることは、
日本という国にさらに興味を持ってもらうきっかけになりますし。

映像以外ではどういう仕事を?

今やっているのは北海道・日高での農業プロジェクトです。
北海道の農業って冬はやることがない。
みんな農業団体や地域、気候に縛られざるを得なくて、
冬にちょっと働きたくても、オプションが出稼ぎしかない。
でも今は出稼ぎ先も少なくなっています。
そこで、農家さんの働き方を少しでも自由にするために、
冬でもできる野菜がないか探してみようと。

冬に強いオーガニック野菜の種苗を扱う
オランダのメーカーさんとご縁があって、その日本支社の方と一緒に、
日高の土地に合う冬野菜の試験栽培をこれから始めるところです。
冬に農作業ができるというオプションがあるというのは、
精神的なゆとりも生みますし、農家さんにとっては大きいと思うんですよね。

あとは同じく日高でのプロジェクトで、
馬の産地ならではの廃棄物・馬糞をエネルギーとして活用する実験をしています。
寒い地域で冬に温室栽培をするのは、
暖房費がかかりすぎて現実的ではないんですよね。
それを、馬糞の再生エネルギーによって、
コストをかけずに可能にしようというプロジェクトをしています。

Savka Uto chapter1
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<プロフィール>

宇都 サフカ
Dentsu Inc. / Web designer
September 1998 - December 2001
Dentsu Inc. / Creative Director For "Internet Fair 2001 Japan"
September 1998 - December 2001
DIVA Networks Inc.(US, Germany, and Japan)/ Creative Director
September 2014 - November 2015
Futurama Inc. / November 2015
Futurama Inc. / Principal. Creative Director
August 2000 - Present

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