SNSのメッセージなどで依頼を受けて、自転車で届けます。
今は犬も飼っているし家族中心の生活をしたいので、
フリーランスというスタイルにしたんです。
海外だと増えてきているみたいですね。
2011年にヨーロッパを縦断したんです。
その時ベルリンで、どこにも所属せず配達会社がさばけなかった仕事をとる
スタイルでやっているメッセンジャーに会いました。
兼業の人も増えています。
配送業者が増えてメッセンジャーが使われなくなったり、
PDFの増加で運ぶもの自体が減っているのも理由です。
そうですね。
宅配業者だと誰が運ぶか分からないことが多いので、
信頼できる人に頼むというのはあります。
例えばケータリングを運んでこぼしてしまったら、
いくら弁償したところで、そのパーティーに届けられなければ
信頼関係を失ってしまうんです。
渋谷の辺りが多いです。
でも行ける範囲内であれば、どこでも行けますよ。
今は犬がいるから、昼間の限られた時間が中心です。
でも融通を利かせたいから、頼まれれば早朝でも夜中でも行けるときは行きます。
会社だと「何時から何時の配達」って決まってるけど、
個人でメッセンジャーをやってるからこそ、
個人に寄り添った形でやりたいと思ってます。
チームでの仕事は面白かったんですけど、会社だとメッセンジャーがたくさんいるので、
決まり事を作らなければいけません。
お客さんが「ゆっくりでいいよ~」と言ってくれて本当はお届けを急いでいない荷物でも、
会社で決めたリミットに合わせて急がなきゃいけなかったり……。
今はそういうことをしなくてよくなりました。
会社に所属して仕事をしていた時は、大きな会社さんから頼まれることが多かったんです。
そういったところはビルのセキュリティがこの10年くらいで厳しくなって、
カードをかざさないと入れないように。
もともとは人に直接渡せていたのが、会えなくなることもありました。
そうやって顔を合わせないと「依頼するメッセンジャーは誰でもいいや」となって、
料金が安いところが求められるようになりましたね。
個人でやるようになってからは、届ける相手も個人のお店などが中心です。
エレベーターで上がるようなビルに届けることはあまりないですね。
人と直接やり取りできています。
フリーランスでやってみたかったので、今はチャレンジという感じです。
<プロフィール>
武蔵野美術大学卒業後、デザイナーを経て、2005年よりメッセンジャーの仕事に就く。
これまでに世界各国のメッセンジャーレースにて上位入賞、ヨーロッパ3,000km走破、HÜBNERカレンダーのディレクションをするなど、活動中。
Yukhinx名義では、メッセンジャーとして培ったことを作品に落とし込んで発表している。