COLUMN

2blks chapter2

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2018年からギャラリーをやってみてどうですか?

石部奈々美さん(以下、奈々美):難しいですね…。
石部巧さん(以下、巧):認知されるのに時間がかかるのかなと。
(東大島駅から徒歩15分、亀戸駅から徒歩20分ほどの)ここに来るのがまず大変。
都心だとルートを組んでいろいろなギャラリーを回れるけど、
ここだとピンポイントで来ることになる。
まずは知ってもらうのに時間がかかるので、
しばらくがんばってやろうと思っています。

奈々美:正直、作家によってお客さんの入りがぜんぜん違うんですよね。
ギャラリーがどこにあるかは関係なく集客できる作家さんもいるし、
誰か拡散力のある人がネットでつぶやいてくれて人が来てくれたこともある。
だけど(巧さんが)今言ってたように認知度もあるかもしれないし、
展示がいまの世の中にハマれば、というのもあります。

どんな目標を持っていますか?

:やっぱり理想は、やってもらいたい作家さんの展示をやって、
人に来てもらって、買ってもらうこと。
ここに人が集まるようになってほしいし、
ここに来たらいい作品が見られるという場所になりたい。

奈々美:まだ定着していないけど、
ちょっとお酒も出せるようにして、くつろげるようにしたしね。

展示をお願いするアーティストはどういう基準で選んでいるんですか?

奈々美:今のところは、2人ともが好きな人。
:そうじゃなくてもいいかなとは思ってるんですけどね。
どちらかがキュレーションをしてもいいかなと。
作家さんはもれなく悩んでいますね。
絵だけで食べていくのが難しいとか、作品の方向性とか。
でも悩んでても、絵を描いていて自分自身が救われた、
みたいなことはみんなあるかもしれません。
奈々美:作品を見てもらえる環境自体は、
ツイッターやインスタグラムがあって昔より充実しているし、
チャンスが回ってくる確率は上がっているんじゃないかとは思います。

ギャラリーを運営するアーティストという立場から、アートシーンがどうなっていってほしいですか?

:絵を見にいくのが普通になってほしいし、質問をするのが普通になってほしい。
ギャラリーは静かで入りにくいし、「これ何ですか?」って
聞くのもアートのことを知らない感じがして聞きづらいと思うんです。
けど僕がアメリカに住んでいたとき、みんな聞いていたんですよね。
それが普通になるといいな。
聞くとおもしろかったりするじゃないですか。
石ころが置いてるだけの絵でも、コンセプトを聞いたら楽しいかも。
奈々美:話しかけられるのが嫌そうな方はそっとしておきますけど、
できるだけ説明できるようにとは思ってます。
気軽に聞いてもらえたら。
:あとギャラリーじゃなくても、絵を見るとか買うのが普通になるといいな。
一部のコレクターに限られてる感があるので、
かしこまっちゃう感じを変えていきたいですね。
奈々美:「家が狭くて」「飾れる壁がなくて」という住宅事情もあるんでしょうね。
けど、絵じゃなくてもいいから、
自分が感覚的にいいなと思うものを飾ってみてもらえたらなと思う。

自分でも買いますか?

奈々美:今のところ2人のなかで「いいな」と一致するものだけなんですけど、
手の届く範囲でなるべく買うようにしてます。
買ったけど額装ができてなくて飾れてないものもいっぱいあるんですけど、それでも嬉しくなる。

:1回買ってみると、変わりますよね。
「買って飾ったら嬉しい」みたいな。
奈々美:割と知ってる人のを買うことが多いですね。
けど、作家を知らずにギャラリーに来てくれた人が、
いきなり買ってくれたこともあったんですよ。
4~5万円を出すのってやっぱり大きいじゃないですか。
絵の力ってあるんだなと思いましたね。

いいなと思うものは?

奈々美:かっちりしたものよりは、
どこか抜けている余白を求めているところがあります。
彼はけっこうかっちり目が好きなタイプ。
:許容範囲は僕のほうが広いですね。
奈々美:私が厳しいわけじゃないんですけどね(笑)。
一緒に住んでて、感覚が似てくるところはあると思います。

アート以外のものを買うとき、どんなことに気を付けて買いますか?

奈々美:そもそも、他のものはもらったり、
作ってもらうことが多いかも。
:ここの内装も手伝ってもらったし、
今着てるTシャツも作ってもらったやつ。
服もほとんど買わない。
奈々美:必要なものだけでね。

ちなみに自転車は乗りますか?

奈々美:もちろん乗ります。
15分かけて川を渡ってここまで来ます。
自転車は彼のお母さんがくれたもので、
後ろに買い物カゴがついています。
なかなか年季が入っていますよ。
川を渡るのに坂があるので、電動自動車がほしくてしょうがないところです。

2blks chapter1
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<プロフィール>

2blks / ツーブロックス
石部巧、石部七美 a.k.a.chappy からなるアートユニット。
それぞれが絵描きとして活動しながら二人でしか表現できないアンバランスなバランスの世界を追求している。
2018年アートギャラリーと喫茶&酒場スペースを併設したオルタナティブスペース亀戸アートセンターをオープン。

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