COLUMN

Shiho Yokoyama chapter2

Shiho Yokoyama chapter2

どんなものに興味を持つようになったんですか?

ものと連動して、私のなかで「日常生活って大事だなブーム」がきてるんです。
ここ何年か「外に行きたい」「外が見たい」「生活は効率化したい」
というブームがあったんですけど、一回やりきったなと。
アジアもヨーロッパもアメリカも中南米も行って、
「世界は大体こんな感じだな」と......。
「わかった!」と言えるほどではないけど、
「こんな感じかもな」と自分のなかでは少し附に落ちた。
世界はどんどん変わっていくから、
何年かしたらこの感覚も古くなっちゃうのかもしれないけど。

日々の「ちゃんとごはんを食べる」とか「人と会って話す」とか、
「本を読む」「音楽をゆっくり聴く」というのを
おざなりにしてきたなと思っているので、
そういう時間の使い方をしたいんです。
なので、今まで興味がなかった食器が欲しくなったりして、
ものとセットで生活を見直してます。
いいものとゆっくり時間を過ごしたいなという感じです。
服も今まで「考えるのが面倒くさいから全部黒でいいや」という感じでした。
今もそんなところはあるけれど(笑)。
でも「友達がデザインしているブランドのものを、
ちょっと高くても買ってみよう」みたいな気持ちは増えました。

ライフスタイルに応じてフレキシブルですね。

そうですね。
その時々で生活のテーマがあるので、それに合うものを。
あとは単純に若い頃ってそんなに給料が高くないから、
ミニマリズムって合理的だったんです。
ものよりも体験にお金を使いたいというのがあったから、
ミニマリズムは自分の性格に合ってたけど、半必然的でもありました。

「自分が本当にいいなと思うものって高くて買えない」というのが若い頃はあった。
そこまで好きじゃないけど買っておくというのが嫌なんです。
だったら買わない。
新卒の頃とかと比べると多少は金銭的な余裕が出てきたので、
「本当に欲しいものが買えるようになるのかもな」というのはありますね。

夫婦での価値観は一致しているんですか?

去年はお互い忙し過ぎて……旅行のときはずっと一緒にいたものの、
日常をあまり共にしませんでした。
私も仕事が好きなので仕事をしたり、友達と飲みにいったり、
週末もお互いに家にいなかったりで。
今年は夫がニューヨークに行くとき以外は、逗子で2人で過ごしています。
今までが不満というわけではないけど、
「ちょっと落ち着こうか」って(笑)。

ちなみに逗子はなぜ?

私が海沿いが好きで、夫の友達も逗子に多いので。
今年は週末は必ず夫と2人で過ごすようにしています。

逗子で自転車には乗りますか?

一緒に組み立ててくれる自転車屋さんが西荻窪にあって、
2日くらい通ってつくって、乗って帰りました。
でも、海辺の町に住んでるので、さびてしまって今は使ってないんです。

海外の旅行先で乗ったことはありますか?

ヨーロッパだと盗まれる不安があるし、
東京だと停めるところがないというイメージなんですけど、
上海は自転車があふれてて、シェアライドも乗り捨てられるんですよ。
そのへんに乗っていい自転車があって、どこで降りてもいい。
アプリで「ここは停めちゃいけない」とかも分かる。しかも安い。

Airbnbのエクスペリエンスというサービスが好きなんです。
上海のおばちゃんがチャリで街を案内してくれるというものに参加して、
ローカルな小道にもチャリでひゅ~っと連れてってくれるんですよ。
おばちゃんがママチャリでめっちゃ早くて、
ついていくのがおもしろかった。
小道でスナックを買ってくれたり。
歩くのも楽しいけど、自転車だからこそ見える景色もありますよね。

東京での自転車は?

停められる場所が増えるといいですよね。
無料の駐輪場が増えて欲しいなあ。

Shiho Yokoyama chapter2
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<プロフィール>

横山 詩歩
Central Saint Martins College of Art and Design グラフィックデザイン学科卒。紙媒体のデザイナーとしてキャリアをスタート。現在は、企業の新規事業立ち上げの支援に従事する傍ら、2018年4月より長野県小布施町の地域プロジェクトに携わる。

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