COLUMN

Tanja Sillman chapter1

Tanja Sillman chapter2

最近気になる場所はありますか?

夜の原宿で、店のシャッターが閉まっている道を歩くのが好きです。
夜の街の散歩がすごく好きです。
飲みながら(笑)。

最高ですね!

はい、日本ならではですね。
コンビニがいっぱいあって便利だし、夜も安全です。
前は高円寺に住んでいて、夜の散歩を楽しんでました。
夜にあいている古着屋さんが多かったし、レコード屋さんや、
アーティストが集まっているバーもあって面白い街でしたね。

タニヤさんはアートを見たり、
夜の散歩に出かけたりしていますが、
家で過ごす時間はどうですか?

家にいる時間も多いです。
実家があるフィンランドは、冬が長いんです。
だからフィンランド人は家の中をちゃんとしたがります。
冬は太陽が出なくて暗いし寒いけど、
好きなインテリアを集めれば冬でも元気になれるという考え方です。
私も家にはお金をかけて大事にしてると思います。
逆に洋服にはかけてない(笑)。
フィンランドではアンティークショップに行ったり、
日本でも上野でやってるような陶芸市に行きます。
手作りでオリジナリティがあるので、
一皿一皿が違うことが、失敗ではなく面白さになる。
(写真を見せながら)家には小物がたくさんあります(笑)。

ほんとですね!

いろいろな国の小物やポストカードです。
多すぎますね(笑)。
他の人から見たらゴミのように見えるかもしれないけど、
私は安心するし元気になれる。
誰かにプレゼントしてもらったものとか、
海外に行った時に買ったものとか……自分の思い出に繋がってますね。
引っ越しは大変です。

断捨離とは無縁かも!

フィンランドでも“こんまり”は流行ってるんですよ!
友達には「こんまりしたほうがいい」って言われます(笑)。
確かに、一度部屋やものをクリアにするのはいいことですよね。
私は畳の上には何も置かないほうがいいと思うけど、
食器なんかはいっぱいあると楽しいし、家にお客さんを呼んで
それぞれ違うコップでもてなすのもいいなって。
これがものの量に対して、私のバランスです。

アート作品も買いますか?

アーティストから直接買ったものが多いです。
ポストカードは家に山ほどありますね。
作品は少しずつ集めたい。
作品を持てたら嬉しいし、
少しでもアーティストのお金になれば嬉しい。
フィンランドではギャラリーを無料で借りられたりと
若い人が活躍できる場があるけど、日本ではなかなか難しいので。
アーティストから直接買うことに
慣れてない人は多いかもしれません。
家で作品を毎日見ていたら、次の日また違う目で見られます。
毎日自分が変わりながら作品も変わって、自分の一部になるんです。

出身はフィンランドのどちらですか?

ユバスキュラです。

(フィンランドの建築家の)アルヴァ・アアルトの
建物が多いところですね。

そうですね。
街のなかにアアルトが手がけた建物が多くて、
小学校もそうでした。
人生のなかにアアルトがつくった形がずっとあったかも……。
今は街に新しい建物や壁画も増えています。
80年代にパブリックアートや壁画の波があって、
その時のものも残っています。

街で自転車には乗ってました?

乗っていました。
ちなみにフィンランド人は、
冬でもタイヤを冬用に換えて自転車に乗ります。

換えるのは自分で?

ほとんどの人が自分で換えられます。
それも楽しさですよね。
道具を揃えて自転車をメンテナンスしてる友達もいます。
私はそこまでではないのですが……(笑)。
自転車を自分のスタイルとして大事にしてる人が多いですね。
だからそれぞれの自転車が個性的です。
私は友人の自転車を見れば、
乗ってる人がいなくたって誰のものか絶対分かります!
最近フィンランドでは、
Jopo(ヨポ)という昔からの自転車ブランドがまた流行っています。
色は違うんだけど形は同じで、男性も女性も同じものに乗ります。

今日本では乗ってますか?

今は乗ってないんです。
自転車があればいろいろなところに行けるから、
買おうと思っています。
自転車に乗ったらどこに行くんだろうなと考えるのも面白い。

Tanja Sillman chapter2
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<プロフィール>

Tanja Sillman
日本のオルタナティブ・アート・プロジェクトとストリートアートの研究者。フィンランドのユヴァスキュラ出身。東京に9年間在住。日本のアーティストのサポートと日本と海外のアートプロジェクトのコラボレージョンを目的としている。90年代のハードテクノとクラブが好き。

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