小さな子どもを連れているときでも、自転車があれば移動はずいぶん楽になります。毎日の登園時間を短縮したり、スーパーで買った品物を載せて運んだり。少し遠くの公園へ足を運ぶときも、自転車は大活躍。
でも、親が目を離した隙に子どもがチャイルドシートから立ち上がっていたり、子どもを乗せたまま自転車が倒れそうになったりと、ヒヤリとする光景を目にしたことはありませんか?とても便利な子ども乗せ自転車ですが、実は子どもが大ケガを負う事故も数多く起きているのです。
私が体験した子ども乗せ自転車の危険性
長女が2歳を過ぎたころ、子ども乗せ自転車を使って一駅先の大型スーパーへ行きました。重たい食材を後部のカゴに載せて帰ろうとしたとき、フロントチャイルドシートに座らせていた長女が、突然ぐずって暴れだしたのです。スタンドを外して走り出す直前だったこともあり、重たいハンドルを支えることができずに自転車を倒してしまいました。 幸い子どもは、チャイルドシートのベルトを締め、ヘルメットもかぶっていたので、驚いて泣いただけでケガはありませんでした。 でも、一歩間違えば大事故につながっていたかもしれないと、血の気が引いたことをおぼえています。子どもや荷物をのせると、自転車はどうしても重たくなり、想像以上に安定性や操作性が落ちてしまいます。 子どもにケガをさせないためには、チャイルドシートのベルトやヘルメットをしっかりと着用させ、注意を怠らないことが大切だと痛感したできごとでした。子ども乗せ自転車の事故 都内では過去6年で1,349人が救急搬送
消費者庁によると、2011年から2016年までの6年の間に、幼児用座席の付いた自転車の事故で、東京都内では1,349人が救急搬送されているそうです。 そのうち、入院を要する中等症が152人、重症・重篤は5名と、大ケガにつながった事故も少なくありません。 子ども乗せ自転車は便利な交通手段ですが、最近ではその危険性も指摘されています。 【参考】消費者庁 平成30年度 子どもの事故防止週間(公表資料3)自転車に乗って 子どもと安心して出かけるために
子どもを事故から守るために、子ども乗せ自転車を使うときは次のような点に注意しましょう。子ども用のヘルメットを着用させる
独立行政法人国民生活センターの調べによると、子ども乗せ自転車に乗っていて転倒・転落してしまった子どもの8割近くが、頭や顔にケガをしていたそうです。高い位置にあるチャイルドシートから転落したり、自転車ごと倒れたりすると、頭部が地面に叩きつけられ、大ケガにつながることもあります。 大切な子どもの脳を守るためにも、ヘルメットは必ず着用させましょう。子どもを乗せたまま、自転車から離れたり目を離したりしない
子ども乗せ自転車の事故は、走行中だけでなく停止時にも頻発しています。乗り降りは平らな場所で行い、スタンドや前ハンドルのロック機能も利用すると良いでしょう。 子どもを2人乗せるときは、「乗せるときは後ろの席から」「降ろす時は前の席から」を守ると自転車が安定します。 自転車から離れるときは、「短い時間だから子どもを乗せたままでも大丈夫」と思い込まずに、子どもを一度自転車から降ろして、事故を未然に防ぎましょう。乗車後すぐにシートベルトを着用させる
何より大切なことは、信頼できるチャイルドシートを選び、乗車後はすぐにシートベルトを着用させることです。 シートベルトを着用していないと、事故にあったとき子どもは座席から投げ出されてしまい、チャイルドシートの安全装備も役に立ちません。 また、JAFの「自転車同士の出会い頭衝突」によると、一般的なチャイルドシートを使っていたときでさえ、子どもには大きな衝撃が加わることがわかっています。 最近では、子ども乗せ自転車の事故が注目されるようになり、チャイルドシートも安全性を高めた商品が増えてきています。 子どもと自転車で安心して出かけるために、子どもの頭と体をしっかりと守ってくれるチャイルドシートを選び、シートベルトを忘れずに着用してあげたいですね。 【参考】 独立行政法人国民生活センター 子どもを自転車に乗せたときの転倒に注意 JAF 自転車同士の出会い頭衝突GRANDIAについてはこちら
ママライター:青海 光(あおみ ひかり)
都内在住、2児の母。IT企業に勤めた後、夫の海外赴任に伴いインドへ。帰国後ライターとなり、現在は育児やライフスタイルに関する記事を中心に執筆している。